汐見高台トーチカ  Shiomi-Hill Pillbox

↑ 背面出入口から見たトーチカの内部
 2010~13年頃、胆振総合振興局が行った農地整備事業によって、このトーチカは埋没したらしい。このページでは、2005年9月に撮影した写真を使って紹介する。その後、現地の様子を再確認していないが、埋没が事実であれば残念な話である。
※むかわ町汐見地区一帯の陣地調査の際には、地元の野崎様が現地を案内してくださいました。ありがとうございました。
 むかわ町では、2018年9月6日木曜日午前3時8分ごろ発生した地震で震度6強を記録。建物の全壊や土砂崩れなど大きな被害が出ました。被災された皆様へ心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復興をお祈りいたします。
 当ページをご覧になっている皆様、ふるさと納税の仕組みを使い、返礼品無しで被災地に寄付ができる「ふるさとチョイス災害支援(北海道むかわ町)」というページが開設されました。皆でむかわ町を応援しましょう。
↑ 背面出入口
 トーチカ周辺には、人の背丈くらいの草が繁茂していて、非常に見つけにくい。地元の野崎様の案内がなければおそらく見つけられなかった。(野崎様、本当にありがとうございました。)
 出入口部分には他のトーチカ同様に、四角い穴が数箇所あるが、これは扉をとりつけるためのものと思われる。入ってすぐ左側には砲側弾薬庫があり、正面奥が砲座となっている。
↑ 砲座と砲眼
 床面にある溝の形や、砲眼の位置・大きさなどから、このトーチカの備砲は九二式歩兵砲と推測される。汐見南東の海岸に上陸する敵兵を曲射で狙うことが可能だった。
↑↓ 九二式歩兵砲 WIKIMEDIA COMMONS
 平射・曲射ができるのが特徴。最大射程は2,800m。
内部から見た砲眼 →
↑ 外側から見た砲眼
 土砂に埋もれ、塞がりかけていた。(※2005年9月時点)
↑ 砲座から見た背面出入口
 火砲の出し入れを考慮して、背面出入口の幅は広い。不法投棄されたゴミの右側に、砲側庫がある。
↑ 背面出入口の扉用の穴 ↑ 砲側弾薬庫 ↑ 砲座の天井にある換気口
 
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 国道235号線から汐見駅へ向かう真っすぐな道があるが、汐見駅手前約660mの地点で右にカーブをえがいている。その地点で左折(と言うか直進)し、350m程進むと左手に旧道がある。その旧道を250m程進むと右の地中に、このトーチカの背面出入口を見つけることができた。しかし、2010~13年頃、胆振総合振興局が行った農地整備事業によって、このトーチカは埋没したとの情報を複数の方からいただいた。願わくは、再度掘り起し、史跡公園として整備し、歴史教育の教材や観光資源として有効に活用していただきたい。
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■更新履歴
  2006年1月24日 公開 ⇒ 2018年9月24日 リニューアル
■外部リンク
  Yahoo!JAPAN地図ウィキペディア(九二式歩兵砲)