当サイトについて
 この度は、この「要塞探訪」サイトをご覧いただきまして誠にありがとうございます。当サイトの運営目的は、これから歴史的な価値が見直されていくであろう明治~昭和期に築かれた要塞やトーチカなど近代築城の遺跡を、開発による破壊・撤去から守り保存活用につなげていくことであります。そのために、広く一般の皆様に情報提供を続けていきたいと考えております。

 私が近代築城について調査を開始したのは、1992年のことでした。当時、近世(安土桃山~江戸時代)の築城史については多くの研究者がお調べになっておりましたが、近代(明治~昭和20年)の築城史については、戦後の軍事アレルギーから、先行して調査されている研究者が非常に少なく、情報収集に一苦労いたしました。

 近年ではGHQによるWGIP(簡単に説明すると、連合国側にとって都合の悪い事実を隠蔽し、日本側が悪者であったかのような歴史観を植えつけるための洗脳工作)が明らかにされ、自虐史観に染まらずに、客観的・総合的に歴史的事象を捉えることの大切さが徐々に浸透してきました。近現代史を専門に研究している人であれば、史料や関係者による証言、現地調査などに基づき客観的に判断することの大切さを知っているわけですが、1992年当時はまだGHQによる洗脳がとけずに偏った思想をもつ人々が周囲に多くいたため、軍事に関わることを調べるとなると、学術的な調査活動であっても非常にやりにくい環境だったことを覚えています。

 私の場合は大学で史学を専攻していたことと、大叔父が津軽要塞の守備兵であったことから、調査する大義名分がありましたが、一般の方が近代築城について興味・関心をもって調べようとすれば、偏った思想を持つ人々から何か良くないレッテルを貼られるような雰囲気でした。当然、研究者が増加するような環境ではなく、貴重な近代築城の遺跡が、無知と無理解から次々と破壊・撤去されていくのを、どうすることもできませんでした。

 そのような苦い経験から、今後研究される方々や興味をもたれた一般の皆様に、なるべく分かりやすく、基礎的な情報を提供し、更なる調査・研究の足掛かりとなるよう、2002年より「要塞探訪」サイトの公開を続けてまいりました。今回、当サイトの環境整備のため、ドメイン取得とサーバー移転を行い、画質向上を図りながら、サイト全体のリニューアルを行うことにいたしました。

 終戦から70年以上が経過し、戦争体験の語り部が急激に減少していく中で、戦跡考古学が注目をあびています。それまで人々に忘れ去られ、草薮や土砂に埋もれていた要塞などの遺跡に関心が集まるようになってきました。また、遺跡の保存にも徐々に理解が得られるようになり、各地の自治体や郷土史家・研究者グループの方々によって、歴史の教材や観光資源として活用しようとする動きがみられるようになりました。当サイトが、そのような活動の一助にでもなれば幸いに思います。
2018年8月 MKNJ  
 
  情報提供のお願い
MKNJへの連絡先は ↑(スパム対策のために画像化してありますので、メールソフトに手入力してください)
 当サイトで扱っている内容について、例えば「■■■■砲台の古写真を持っています」・「祖父が●●要塞重砲兵連隊にいて、このような体験を聞かせてくれました」・「▲▲▲▲にもトーチカがあります」・「◆◆◆◆のページの記載内容に誤りを見つけました」など、関係することであれば何でもかまいませんので情報をお寄せください。個人運営のサイトですので、何もお礼はできませんが、当サイトで紹介させていただければと思います。
 
  資料画像の利用について
 当サイトで使用している資料画像については、特に明記しているもの(外部からご提供いただいた画像等や引用した資料等)を除き、原則としてMKNJが撮影した写真、編集した画像を使用しております。MKNJが著作権を有する画像の利用については、以下の通りといたします。
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  免責事項
 当サイトでは、遺跡の所在地を明示しておりますが、郷土史家や学芸員、大学生など、各自の責任において調査活動をされる研究者向けの情報です。よって、研究者以外の方に探索を推奨するものではありません。また、当サイトの情報を参考に調査に行かれて事故などにあわれても一切の責任を負いません。
■調査される方へ
●当サイトで紹介している遺跡の中には、私有地など立ち入る際に地権者の許可が必要な場所が多数含まれております。必ず各自で許可を得るようにしてください。また、撮影当時には立ち入れた遺跡でも、その後現在までの間に立ち入り禁止となっていることもあり得ます。各自で最新情報をお調べください。
●当サイトで紹介している遺跡の中には、崩落するおそれがあるものや、不発弾が残る可能性があるもの、交通アクセスに危険をともなうものが多く含まれています。十分にご注意ください。
●草薮や土砂の下に、予想外の開口部が開いていることがあります。転落しないよう慎重な行動が求められます。
●1944~45年にかけて築かれた防御陣地では、撤去されずに残った支保工の木材から釘が飛び出しているものがあります。刺さってケガをされぬよう、お気を付けください。
●毒蛇・スズメバチ・ヒグマ・野犬など、生命に関わる野生動物と遭遇するリスクを伴います。近年、北海道では人間を恐れず住宅地に何度も出没する危険なヒグマのニュースも報道されています。毎年、ヒグマに襲われて亡くなったり重症を負われる方がいる(2021年度4月~7月期だけでもすでに9名の方が死傷)にもかかわらず、人と熊との共生を唱える活動家の声が強く、道民が不安な生活を送る中、ヒグマの駆除が不十分な状況となっております。当サイトで紹介する遺跡の大部分はヒグマの生息域ですので、調査活動は命がけとなります。
●狩猟期を避けないと、野生動物と誤認されて、ハンターに撃たれるリスクがあります。
●作業着、軍手、帽子、長靴(小川を渡ることがあるので登山靴より良い)、懐中電灯、GPS付スマートフォン、水筒(水分補給しないと脱水になる)、非常食など十分な装備を必要とすることが多くあります。
●数kmにわたって足もとの不安定な砂浜を歩行しなければならなかったり、藪漕ぎを続けなければならなかったり、急な斜面を登ったり下りたりといった場面があるので、それなりの基礎体力や運動能力が必要となります。
 
  謝辞
 当サイトの公開にあたり、ご教示くださったり、現地を案内してくださったり、様々な情報や各種資料を提供してくださったりするなど大変お世話になった方々を、感謝の気持ちを込めてここに紹介いたします。どうもありがとうございました。
 ・元 津軽要塞重砲兵連隊所属 S様〔資料提供〕*故人。MKNJの大叔父で、白神岬砲台の守備に就いていた。
 ・愛媛県今治市の秋山邦彦様〔豊予要塞の現地案内、数多くの資料提供〕
 ・北海道 函館市総務部市史編さん室様〔資料提供〕
 ・函館産業遺産研究会会長 富岡由夫様〔資料提供〕
 ・函館産業遺産研究会 山道四郎様〔資料提供〕
 ・函館鉄道写真館サイトのX-103様〔資料提供〕
 ・北海道函館市在住の翼様〔資料提供〕
 ・青森空襲を記録する会 中村和彦様〔資料提供〕
 ・青森県 大間町教育委員会様〔資料提供〕
 ・青森県立郷土館 松橋正士様〔情報提供〕
 ・青森県 三厩村教育委員会様〔竜飛崎砲台の現地案内〕
 ・竜飛会(戦友会) 渡辺康宏様〔情報提供〕
 ・千葉県 富津市教育委員会様〔資料提供〕
 ・神奈川県 横須賀市教育委員会様〔資料提供〕
 ・北海道 室蘭市総務部市史編纂室様〔資料提供〕
 ・室蘭市民俗資料館館長 谷中誠治様〔資料提供〕
 ・兵器研究家 国本康文様〔資料提供〕
 ・空襲・戦災を記録する会全国連絡会議事務局長 工藤洋三様〔資料提供〕
 ・北海道 厚真町教育委員会 乾様・奈良様・宮下様〔勇払陣地の現地案内、情報提供〕
 ・元 苫小牧博物館館長 佐藤一夫様〔勇払陣地の現地案内〕
 ・北海道苫小牧市在住の平野様〔情報提供〕
 ・北海道苫小牧市の郷土史研究家 吉川幸伸様〔情報提供〕
 ・北海道 広尾町教育委員会 古関直人様〔資料提供〕
 ・碧血の島管理人 横山仁様〔資料提供〕
 ・宗谷岬牧場 梅津秀樹様〔情報提供〕